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異種祭祀

異種姦系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

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珍しいスライムをテイムする話 後編

 メルアと共に住居スペースの寝室に移動して来た私は、捕まえてきたピンクスライムを床の上に解放する。
 どろりとした状態でピンクスライムは床に広がり、とてもいい匂いを漂わせていた。
(いい匂いね。……でも、なんだか普通のスライムの匂いとは違うような気もするわね?)
 鼻腔を満たすスライムの匂いは、普通のスライムが漂わせる匂いとは少し違っていた。
 普通のスライムは気持ちいい状態が続くと、日だまりのような匂いをさせる。
 その匂いの濃さによって、スライムがどれくらい気持ちよく感じているのかがわかる。本当に気持ちよい思いをしたスライムからは、まるで本当の日だまりにいるかのような濃い太陽の匂いがするのだ。
 あくまで仮説だけど、普通のスライムが最もリラックスしている状態である、ひなたぼっこをしている時の状態が再現されているのではないかと考えていた。
 理由はさておき、スライムの匂いはそうやって状態を計るのにちょうどいい指針になるのだ。
 しかしこのピンクスライムからは、太陽の匂いではなく、花の蜜のような匂いが漂う。
(スライムにも個性があるから……この子にとってはこれが気持ちいい時の匂いなのかしら? ピンクスライムが花を好んで食べるという話は知らないけど……)
 私が知る情報では、ピンクスライムは砂漠地帯で発見される種類だった。
 ピンク色は砂漠の景色に紛れやすい色で、熟練した冒険者ほど気づけないらしい。
 隠密性に特化した種類で、あまり攻撃的な種ではないそうだ。その目撃数は少なく、生態にもわからないことが多い。
 珍しいというのも、砂漠地帯に住むスライムというと、普通はサンドスライムになるからだ。周りが砂ばかりなのだから、砂の特徴を得る方が自然だと言えるだろう。
 個人的には普通のスライムが、サンドスライムになる過程の姿がピンクスライムなのではないか、と思っているけど、確証はない。
(まあ、細かいことはおいおい調べればいいわね)
 まずはこのピンクスライムをちゃんとしたうちの子にするべく、色々と教え込まないといけない。
 うちの店に住んでいるスライムたちには【人化】の魔法を習得させている。
 メルアみたいに完璧に人に擬態出来るスライムもいれば、泥人形みたいな手足と顔があることしかわからないレベルの不完全な擬態しか出来ないスライムもいる。より人に近い擬態が出来る方がレンタル出来る内容も多くなるし、何かと便利なので、この子がどれくらいの【人化】が出来るのかは、とても大事なことだった。
「よし、それじゃあさっそく【人化】の魔法を継承するわね。継承できたら使ってみて」
 私はピンクスライムに手を突っ込み、魔法の継承を行った。
 するとピンクスライムは即座に【人化】の魔法を実行し――完全なる人型になった。
 そのことに、私は驚く。
 いまは完全な擬態が出来るメルアでさえ、最初は輪郭が崩れて『スライムが人の形を取っている』ことが明らかな姿だった。
 ところがこのピンクスライムは、人に見間違うほどの精度で【人化】を行っている。
「わあ……っ! すごい! あなた、すごいわ! まさか一度でこんなに完璧な人型になれるなんて!」
 思わず興奮してしまった私は、そのピンクスライムが口を動かしていることに気付かなかった。外見は完璧だったけど、中身はそうではなかったらしく、声帯は出来ていなかった。
 だから、仮にピンクスライムが喋ろうとしても、口だけしか動かない。
 私は完璧な人型になれるピンクスライムが、新たな商機になることを感じていた。
「メルアをそういう目的で貸し出すのは嫌だったからしてなかったけど……この子を上手く教育できれば……行ける!」

 スライム娼婦という新たな可能性を、私は考えていた。

 消化液を出さなくなったスライムの肌触りはとても気持ちのいいものだ。スライムテイマーとしてはあまり気分のいい話じゃないけど、スライムの死体を加工して男根を挿入する大人のおもちゃ――オナホールを作る人もいるそうだ。
 うちにも稀に、スライムのレンタルをしにくる人の中に、スライムとそういう行為が出来ないかと訊いてくる人もいた。女性に関しては、ルーピィにさせているように、場合によってはやらせていたけど、男性相手はそもそも扱いが難しく、ある程度の外見も欲しいと言われたので、『そういったことが出来る子はいない』と答えるしかなかった。
 メルアは私にとっても特別だし、貸し出すことのない子だから除外しているけども。
 そんな状況だったので、限りなく人の姿に近い姿になれるこのピンクスライムは、とてもいい素質を持っていると言えた。
 この子を教育して、『そういった目的』のレンタルに出せるようにすれば、さらにリピーターが増えることだろう。
 そうと決まれば、まずはこの子に『そういう行為』がとても気持ちいいことである、ということを教え込む必要がある。
 特に、男性との絡みが気持ちいいと覚えてもらわなければならない。
 女である私に、本来それは難しいことだが、私にはメルアがいた。服を脱ぎ、全裸になりながら告げる。
「メルア――【男体の纏い】をお願い」
 私の意図を汲み、頷いたメルアの輪郭が崩れ、スライム本来の形となったメルアが私の身体の首から下をすっぽりと覆う。
 全身をメルアに包まれる心地よさを感じていると、メルアの身体が私の身体を締め上げ、そしてその外見をあっという間に変えてしまった。
 筋骨隆々とした男の人の身体に、メルアは擬態してくれたのだ。
 私からすると分厚いアーマーを着ているようなもので、手を動かすと、メルアが形作ってくれた男性の腕も一緒に動く。
 身体の見た目だけを見ると、完全に男に見えた。感覚的にも、メルアは私の身体にダイレクトに刺激を伝えてくれるので、本当に男性の身体になったような気さえする。
「さすがはメルア……見事だわ」
 そして股間には、普通は女性にないものが――立派な男性根と陰嚢が生えていた。
 それに触れてみると、さすがにその部分の感触はなかったけど、代わりに私の本来の身体の内側に、抉られるような快感が走った。
「んあっ」
 思わず声が出てしまう。創られた男性根の亀頭の部分は、クリトリスとリンクしていて、亀頭を指先で摘まむとクリトリスが摘ままれる感覚が生じた。
「はぁんっ」
 私の身体を弄っているのはメルアの身体なので、非常に気持ちがいい。思わず腰が引けてしまうほどだ。
 メルアとの触れあいの中で、半ば戯れとして出来るようにした【男体の纏い】が、こうして役に立つ日が来るとは思わなかった。
「ふふふ……さあ、メルアと一緒に、あなたを気持ちよくさせてあげるわね」
 私の興奮度合いに合わせてか、疑似男根が雄々しく勃起して、床にへたり込んでいるピンクスライムを指した。




 ドロドロしていた身体の輪郭が【人化】の魔法を使って安定した。
 私はすぐに目の前のスライムテイマーに事情を説明しようと口を開いたけど、私の意に反して口から出たのは、べちゃりとした水音だけだった。
 どうやら、この身体はあくまでガワだけが人間になっているようで、身体の内側はスライムの身体のままのようだった。
 いうなれば人の形をした水風船のようなもので、身体の表面は人間の感覚なのに、身体の中が流動的に動いている感じがして、とても気持ち悪かった。
(うう……なんとか意思を伝える方法は……!)
 指で地面に文字を加工にも、ここは普通の部屋の床で、指でなぞった程度で跡が残るわけもない。爪を立てれば、と思ったけど、爪は見た目だけのものらしく、ちょっと力を入れると、あっさり指ごと曲がってしまって傷を付けることなんて出来そうにない。
 ならばペンか何かを使って文字を書こうとしたら、急に力強い腕に身体を持ち上げられた。驚いて自分を抱き上げた人を見ると、さっきのスライムテイマーの顔があった。
 いつのまにか、スライムテイマーの首から下が、筋骨隆々な男性のものになっている。首から上はさっきまでと同じ、たおやかな女性のままだったので、違和感すごい。
 いくら外見が人っぽくても、骨や筋肉がない以上、支えづらいだろうに、スライムテイマーは私を落とさないように抱えて、そのまま私をベッドの上に寝かせた。
 のしり、と男の身体になったスライムテイマーが覆い被さるように乗ってくる。
(ま、まずい……! はやくなんとかしないと……!)
 もう少しこの身体に慣れる時間があれば、自由に動けるようになったかもしれない。
 けれど、いきなり骨も筋肉も存在しない身体を動かせと言われても、私には無理だった。脱力してベッドの上に寝転がったような状態で、スライムテイマーの行動を受け入れることしかできない。
「さあ、いくわよ……気持ちよくしてあげるわね」
 優しい笑みを浮かべつつ、テイマーが動く。いまだに【魅了】の効果は切れていないらしく、『愛しい人に求められている』という喜びが沸き立つのが感じられた。
 屹立した男性器が私の入口に宛がわれる。
(え……ちょっと、待って……それ、太すぎ……?)
 魔法によって沸き立たされた喜びとは別の、人間として冷静な部分の私が、宛がわれたものの太さに戦慄する。元の人間の身体であったなら間違いなく裂傷が生じるであろう太さ。
 いくらいまの身体が、人間の形をしているだけで、中身は柔軟性の高いスライムの身体とはいえ、挿入に恐怖を覚えるのに十分な太さだった。
 心の中で私が恐怖していることなど知らないテイマーは、無慈悲にその太いものを私の中に挿し込んできた。
 最初に感じたのは、異物感。スライムを用いたオナニーで感じていた『身体の中を蠢いている』感覚とは全く違う『身体を押しのけて存在しようする』感覚。
(あぐっ……ッ! はぅあうっ!)
 身体が股間から真っ二つに裂けてしまうかと思った。脚と脚との距離がちょっと離れたような気がする。
 けれど、激しい痛みは生じていなかった。スライムの身体特有の柔軟性で、受け入れられないはずの太く長いものを受け入れてしまえている。
 お腹に意識と視界を向けてみると、挿し込まれた男根の形にお腹が膨らんでいるのがわかった。広がった穴と、挿し込まれた太い男根が擦れ合う感覚が凄まじいものになって私の神経を震わせてくる。
 さらに、スライムテイマーの腕が私の身体を持ち上げ、抱き潰そうとしているかのように力強く抱きしめてきた。私の身体はその力で歪み、全身にそれによって生じる快感が走る。
(ひぐッ!)
 持ち上げられ、身体の角度が変わったことで、私の身体を貫いている男根が抉る角度もまた変わった。恐ろしく強烈な快感が何度も頭の中で弾け、いっそ気を失った方が楽だと確信出来るほど、間髪入れない絶頂が何度も私を襲う。
 意識的には上手く動かせなかったけど、私の身体は条件反射で何度も痙攣していた。
 それがまた向こうにとってはいい刺激になったらしく、気持ちよさそうに喘ぎながらも腰を動かし、私の身体の奥を抉ってさらに大きな快感を生じさせてくる。
 そして向こうが絶頂した時、私は身体の中に熱い何かが生じるような感覚を最後に、意識を失った。




 いきなり全力での性交は激しすぎたのか、擬態が解けてしまったピンクスライムは不定形になって床にベッドの上に広がった。
 私が絶頂を迎えると同時に、メルアで出来た男根の先端から透明な液が迸ったのは、私の分泌した愛液を圧縮したものだ。メルアは男根だけではなく精嚢まで再現しているけど、それに精液を作る能力は無いから、疑似精液というわけだ。
「はー……ちょっといきなり激しすぎたかしら」
 私はメルアに指示を出してその擬態を解かせる。私の背中に抱きつくような体勢で、メルアはいつもの可愛い姿に戻った。
「ありがとうメルア。今日はこのくらいにしておきましょうか」
 先にメルアの頭を撫でてあげてから、私はベッドの上に広がったピンクスライムに手を伸ばす。
「あなたもお疲れ様。今日はひとまずこれくらいにしておきましょう。家の中なら、好きにしていいわよ」
 そう言って、今日はもう寝ようとベッドの上に寝転がる。別にいてくれてもよかったのだけど、ピンクスライムはずるずると這うようにしてベッドを降りていった。
 ベッドで寝る野生のスライムはいない。恐らくだけど、ベッドの下とか棚の後とか、スライムとして落ち着く場所を探しに行ったのだろう。
 私はまた一匹珍しいスライムを確保することが出来た喜びを感じつつ、眠りについたのだった。

 翌日、ピンクスライムが――いえ、ピンクスライムと同化したモンスターテイマーが一晩かけて書き残したメモ書きを見て、びっくり仰天するのは、また別のお話。


~珍しいスライムをテイムする話 おわり~

珍しいスライムをテイムする話 中編


 モンスターテイマーの中でも、好き好んでスライムを専門に活動している者は少ない。
 だからこそ、競争相手が少なく、珍しいスライムを独占しても怒られないのはスライムテイマーの利点のひとつだった。
 しかし同時に珍しいとはいえスライムなので、興味のない人に見つかってしまうと希少性を理解されずに狩られてしまうことも多かった。
 以前、非常に珍しいサンドスライムが、私が確保する前に馬鹿な駆け出し魔法使いによって狩られたと聞いた時には、絶望すら覚えたものだ。
 だから今回、珍しいスライムが出たという噂を聞きつけてすぐに街を飛び出してきたのだけど、その甲斐はあった。
「ふふふ……珍しい色のスライムね。わざわざ来た甲斐があったわ」
 私は目の前で【魅了】の魔法にかかって大人しくなっている、珍しいピンクスライムを見ながら、興奮を隠せなかった。
 ピンク色のスライム自体はすでに存在を確認されている種であり、新種というわけではないのだけど、このあたりでピンク色のスライムが出現する可能性は極めて低い。
 私も知識としては知っていたけど、確保までは出来ていなかったので、とても運が良かった。
「さて……と、ピンクスライムちゃん。私の言うことを聞いてくれる?」
 【魅了】によって私への好感度がマックスになっているピンクスライムは、ぷるぷるとその全身を震わせる。これはスライムの了承の合図だ。
 普通の人にはただスライムが震えているだけにしか見えないらしいけど、スライムを愛して幾星霜。私は人が頷いているのと同じレベルで、スライムの肯定の意思を読み取ることが出来た。
 私の手で躾けていない野良のスライムはまだ自意識がはっきりしていない場合が多いのだけど、このスライムは妙に自意識がしっかりしているようだった。
(何らかの理由で消化液を出さない時期があったのかしら……? それとも、充溢した魔力の中で育ったとか……いずれにしても好都合だわ)
 私は腰に下げていた鞄の中から、特殊な魔法をかけた瓶を取り出す。
「ちょっと窮屈かもしれないけど、この中に入ってくれる? 大丈夫。狭くても魔法をかけてあるからとても気持ちいい空間よ」
 言いつつ、瓶の蓋を開けて地面に置く。ピンクスライムが地面をずずず、と這い寄って来て、瓶の中にその身体を押し込めていった。
 スライムの身体は、ある程度小さくなったり大きくなったりすることが出来る。
 ちょっとした小池ほどもあったピンクスライムは、私が片手に握れる程度の瓶の中にすっぽり入ってしまった。
「うん、良い子。じゃあ、蓋を閉めるわね。街に帰ったら、気持ちいいことして遊びましょう」
 私は瓶の蓋をきゅっと締め、鞄の中にしまう。これで一匹目は確保。
「出来れば複数匹確保できればいいんだけど……見つかるかしら」
 スライムのことはスライムが一番よく知っている。
 私は鞄の中からさっきのとは別の瓶を取りだそうと、鞄の中を両手で漁る。
 そんな私の背後から、スリングを用いた投石が飛んできた。どうやら狩りの最中だったゴブリンが私を見つけ、投げつけて来たみたいだった。
 そのゴブリンの投石は普通なら後頭部に直撃し、意識を刈り取っていただろう。
 そして、ゴブリンたちは意識を失った私の身体を巣に運び、思う存分陵辱の限りを尽くしたのかもしれない。
 けれど、ソロで街の外で出ているのに、何の対策もしてないと考えるあたり、所詮はゴブリンの浅知恵だった。
 飛んできた石は、私が纏っている外套が翻ってキャッチし、スリング以上の速度で投げ返した。完全に私の不意をついた気でいたのであろうゴブリンは、反射してきた投石をかわすことが出来ず、その頭部の半分が潰れながら吹き飛んだ。無論、その一撃で絶命している。
 外套が再度波打ち、ひとりの女の子の姿を形作る。
「メルア。ありがとう」
 私が一番目を掛けて可愛がっているスライムのメルアは、その身体の腕を細く伸ばし、倒れたゴブリンに消化液をぶっかけて骨まで残さず溶かしてしまった。
 テイマーとしてそうなるように躾けたのは確かなのだけど、あまりにスライムらしからぬ実力の高さには苦笑せざるを得ない。
「スリングとはいえ、ゴブリンアーチャーがいるということは、力を付けつつあるゴブリンの集団がいるってことよねぇ……厄介だわ」
 殲滅するべきかと一瞬思ったけど、今回私はゴブリン退治に来たわけじゃないし、勝手にゴブリンの群れを殲滅すると冒険者ギルドとの軋轢を生みかねない。
 私はあくまでスライムテイマーであって冒険者ではないので、ゴブリンの対処はプロに任せることにした。
 せっかく捕まえたピンクスライムと早く遊びたかったからではない。
 私は探索用に別のスライムを解放しようと思っていたのを中断し、急ぎ街に帰ることにした。
(少なくとも、一匹は確保出来たわけだしね)
 鞄の中にしまった瓶のことを想い、私は小さく微笑んだ。


 ぎゅうぎゅうと、身体が小さな空間に押し込められている。
(うぐぐ……っ、あうぅ……!)
 スライムの身体になってしまった私は、スライムテイマーの命令に逆らうことが出来ず、小さな瓶の中にその身体を押し込め、震えることしか出来なかった。
 人間としての身体の輪郭など維持できるわけもなく、瓶の内部の形状に自分の身体が沿って変形しているのが感じられる。
 スライムは呼吸を必要としないのか、圧縮による苦しさはあっても、呼吸ができないことによる息苦しさはなかった。ただ、全方位から潰されるような圧力がかかっているので、苦しいことに変わりは無い。
 不思議なのは、周囲から感じる圧力が苦しいだけではないという事実だった。スライムテイマーは言っていた。気持ちよくなれるように魔法がかけてあると。
 それはどうやら、瓶の内壁を不定期に波立たせる魔法のようだった。内壁が波立つ程度が何なのかと思うだろうが、これは瓶に詰められているスライムにとって――つまり私にとって――非常に強力な刺激となった。
 瓶の内壁に触れている私の身体を、押しのけるようにして瓶の内壁が動く。それはただ波打つだけではなく、微妙に尖っていたり鉤状であったりして、私の身体をより深く、鋭く刺激する。
 ただでさえ身体が圧縮され、敏感になっている私にとって、その刺激はトゲ付きの張り子をあそこの中に突き入れられるのと変わらない刺激だった。
(んぎぃッ! いぎぁあ!)
 恐ろしいのはそれだけ乱暴な刺激の種類でありながらも、この身体はそれを快感として認識してしまっていることだった。頭が痺れるほどの快感が私の頭を――いえ、精神自体を焼くように貫いていく。
 もし人間の身体のままこんな快感を受けていたら、痙攣した後に潮を吹いて失禁までは確実だろう。ひょっとしたら心臓が止まって死んでいたかもしれない。そういう意味では、スライムに同化してしまっていて良かったというべきか。
 けれど人間の意識で受け取るには強すぎる刺激であることは間違いなく、絶え間なく与えられる刺激によって、次第に私の意識は溶けていった。


 街に帰ってきて、自分の店に戻ると、まず連れていたスライムたちを店の中に戻す。
 スライムには個体ごとにそれぞれ好む場所があり、そういった環境を整えてあげるのもテイマーとしての腕の見せ所だ。
 スライムたちを所定の位置に戻していると、外套に擬態して私を守ってくれていたメルアが、その擬態を解いて人型になった。その変化は実に自然で、森の中で見せた中途半端な変化と違い、本物の人と区別が付かないほどに精巧な変化だった。
 私が『変化』を教えたスライムの中には人型を取れる子が何匹もいるけど、メルアほど精巧に、かつ可愛く変化出来る子は他にいなかった。
「どうしたのメルア?」
 いつもなら自分から離れようとはしないのに。
 そう思っていると、店の入口を断りもなく入ってくる人がいた。
「ちわーっす! アルトリス新聞のルーピィで……すぅ!?」
 元気よく挨拶しながら入ってきたその人は、メルアが進路に立ち塞がっていることに気づき、慌てて急停止していた。メルアが無感動な瞳でルーピィを見上げている。
「とととっ、メルアさん。すみませんぶつかるところでしたっ」
「ルーピィ……あなたまた来たの?」
 私は苦笑を浮かべざるを得ない。以前私の記事を書きたいと取材に来て以来、ことあるごとにルーピィはうちの店にやってきていた。色々と新聞記者ならではの情報網を持っていて、特殊なスライムの噂などを提供してくれるのには感謝しているけど、こう頻繁に来られると苦笑を浮かべたくなる。
 ルーピィは記者として培った愛嬌なのか、涙目になって私に擦り寄ろうとする。それをメルアに邪魔されていた。メルア的にルーピィの媚びはダメなものらしく、いつもそうやって私とルーピィの間に立って邪魔をするのだ。
「わあん、ひどいですよぅ! 私をこんなにしたのはあなたたちなのにぃ!」
「はいはい、わかってるから」
 正直、こちらとしても反省するところはあるのだ。
 いくらスライムの素晴らしさをわかって欲しかったとはいえ、ろくに性的経験のないルーピィにスライムの気持ち良さを体感させてしまったのだから。
 結果、ルーピィはスライムに虐められたくて毎日のようにうちを訪れるようになってしまった。さすがに責任を感じたので、スライムのレンタル扱いではなく、スライムたちの自主性に任せて慰めてあげることにしていた。
 私は店の扉を締め、閉店作業を済ませてからルーピィに言う。
「わかってると思うけど、いつも通りあなたからスライムを襲うのは禁止。スライムが襲って来るのに任せること。いいわね?」
「もちろんですっ!」
「じゃあ、いつも通り店舗内は好きに使って良いから」
 そうルーピィに言って、私はメルアを連れて店舗兼住宅の居住スペースへと移動する。
 さっそくルーピィが服を脱いでいるような音と、スライムたちがボトボト落ちて来ている音を聞こえてきていた。
 ああは言ったけど、気持ちいいことが大好きなうちの子たちが、ルーピィという格好の獲物――もとい、玩具を前にして襲わないわけがないのだった。


「ふふっ、ふふふっ! さあ、楽しみましょう! みんな、来て!」
 もどかしい想いをしながら、着ていた服を脱いでいると、店の色んな場所から色んなスライムたちがぞろぞろと――ポトポトと現れた。
 スライムたちの中には人間の服を脱がすことが得意な子もいるから、本当はただ黙って立っているだけでもいいのだけど。
 服を脱ぐと言う行為は私にとっても「これから気持ちいいことをする」という意識の切り替えになるので、スライムたちが出てくるまでに脱ぐのがお決まりになっていた。
 人の店の中で、全裸になって立つと心臓がばくんばくんと音を立てて高鳴り出す。恥ずかしいという想いもあるけど、それ以上に期待で胸が一杯だった。
 胸の頂点がびんびんに空気を感じるほどに固く尖り、湿り気を帯びたあそこがきゅっと引き締まる。
 スライムたちに愛されるようになってから、身体の調子はむしろ良かった。足腰が立たなくなるまで責められて、イかされ続けて意識を失って、気を失っても朝まで延々いたぶられ続けるのだから、普通ならやつれて衰弱してしまいそうなものだけど。
 スライムに詳しい店主さん曰く、スライムの分泌する魔力濃度の濃い粘液を直接吸収させられているからだろうとのこと。
 確かにスライム達に身体の隅から隅まで嬲られた日の翌日は、驚くほど身体の調子がよかったりする。
(気持ちいい上、身体の調子も良くなるなんて……もうスライムなしの『性』活なんて考えられない!)
 ちなみに私はいまだに処女である。男性経験がないからだ。スライム達は処女膜を破らないようにしながらも、私の身体を徹底的にいじめ抜いてくれる。
 そんな優しいスライムたちに処女を捧げたいのだけど、それは店主さんに禁じられているらしく、彼らが膜を破ることは決してなかった。
(今度、店主さんに言って処女を貰ってもらおうかな……)
 興奮する頭の片隅でそう考えつつ、床に寝転がる。
 いつでも襲っていいという体勢だ。普段なら寝転がった身体を包み込むようにして、スライムが集まってきて、大の字に広げた全身を徹底的に嬲られる。
 けれど、今日はなぜか中々近付いてきてくれなかった。
「……? いつでもいいんですよ? 早く来て?」
 大開帳した脚の付け根にある割れ目は、もう準備万端だった。スライムじゃない太い棒でもいくらでも受け入れる準備は出来ている。
 なのに、スライムたちは襲ってくれない。少し距離を開けて、こちらの動きを窺うようにしている。
 こちらから行けばいいのだけど、それは私から襲うことになってしまうので動けない。
「あうぅ……! 焦らさないでよぉ……!」
 ただでさえ興奮しているのに、視姦だけで止められるなんて、生殺しもいいところだった。もぞもぞと脚が勝手に動き、スライム達を誘うものの、近付いて来てくれない。
 スライム達に言葉はなかったけど、彼らに試されていることに気付いた。
「誘え……ってことですか……? んッ、ああ……そういう、ことですか……っ」
 スライム達はこう言っているのだ。『俺たちを興奮させてみろ』と。
 それで満足させられたら、きっと彼らは私を襲ってくれる。
「あぁ……見てて、ください……っ、私の、イヤラシいところ……っ」
 本来なら雑魚と蔑まれる立場のスライムに、みっともない全裸を晒し、イヤラシいところを見せ付けて、襲ってくださいと懇願するしかない惨めな自分の立場。
 それが私の自虐心を刺激して、興奮はさらに高まった。勝手に手が動き、胸を揉みしだいてあそこを弄り出してしまう。
 触れた瞬間、びりびりとした刺激が全身を貫き、私は思わず腰を跳ねさせていた。
 どろりとした愛液が割れ目から零れ、指先を濡らしていく。その指先を用いて、秘部を愛撫し、さらに愛液を垂れ流した。
 気持ちよすぎて、堪えようとしても喘ぎ声が勝手に零れ、唇の端から涎が垂れる。床を汚してしまうと思ったけど、理性はすっかり蕩けていて、身体の動きは止まってくれなかった。
 前の穴だけでなく、後の穴にも指を突っ込み、身体を弓なりに反らしながら抉るように刺激を与え続ける。
 処女膜が破れるとか、そんなことは一切気にならなかった。幸いにして処女膜が破れることはなかったけど、いつ破れてもおかしくないほど激しく指を動かしていたのは間違いない。
 色んな液を垂れ流し、身体を波立たせ、激しい自慰を披露する。
 やがて一度目の絶頂を迎え、私の身体は全身が限界まで弓なりになった。
 身体から力が抜けて腰が床に落ちたところを、柔らかいものが受け止めてくれた。
 絶頂の余韻でぼーっとする頭を感じつつ、自分の身体を見ると、私の腰の下にスライムが滑り込んで受け止めてくれていた。
「――あはっ。やっと来てくれたぁ……っ」
 そのスライムは私の腰を持ち上げ、力が入らない私の身体をまんぐり返しの格好にしてしまった。自分のあそこが目の前に来て、どろどろになっているのを見せ付けられる。
 激しい自慰のためにぽっかり開いたお尻の穴に、スライムの身体が入り込んでくるのがハッキリ見えた。開いている穴をさらに広げるように、大量のスライムが私の中に入ってくる。
「んああああああッ! これっ、これが欲しかったのっ!」
 身体の中を充たしていく不定形の化け物。しかしその動きは優しく繊細で、まるで身体の奥まで愛撫されているかのように感じる。
 お尻の穴に入られただけで、前の穴から大量の潮を噴いてしまうほど、私は感じてしまっていた。まんぐり返しの格好だから、当然噴き出したものは顔面に降り注ぐのだけど、そんなことは全く気にならなかった。
 正確には、気にしている余裕もなかった。
 連続で何度も絶頂を迎えて、まんぐり返しの不自由な身体を跳ねさせて震え、私の意識は明滅する光に翻弄される蛾のように、ふらふらと空中を彷徨ってしまっていた。
 周囲を囲んでいたスライムたちが一斉に雪崩れ込んで来て、身体も心も、スライムに沈んでいったのだった。

 まだ、私とスライムたちとの触れあいは、始まったばかりだ。


~後編につづく~

珍しいスライムをテイムする話 前編

 この世でもっとも気持ちの良いオナニーは、スライムを使ったものであると確信している。程よい弾力、程よい刺激、程よい温度、程よい形状、どれを取ってもどんな性具よりも優れていることは確定的に明らかだ。
 さらに、基本的にどこにでもいる普遍性や、魔法に耐性がほとんどないため操りやすいという点も、そういう意味で優れている点である。街から離れて野営をする時でさえ、少し探せばスライムは手に入るのだから。
 だから、性欲旺盛な私が、スライムを用いた自慰行為に耽るようになるのは自然なことだと思う。

 私は基本ソロで活動する冒険者で、モンスターテイマーの職業についている。
 その日はあまり見かけないスライムが街の近くの森に出たということで、調査と捕獲にやって来ていた。
 スライムはテイマーからするとあまり旨味の少ない存在だけど、近くの街にスライムを好んで収集する変わり者のテイマーがいた。
 変わったスライムならそのテイマーが買い取ってくれるため、私はそのスライムを捕まえにきていた。
 そして首尾よく、普段この辺りでは見かけないピンク色のスライムを捕獲することに成功した。
 洗脳魔法で自由意思を奪い、消化液を出さないように命令して無害化にも成功。
 それから、出来る範囲で調べてみたけど、色が変わっているだけで特殊な能力などは持っていないようだった。
「まあ、売れはするかな。でも、その前に……」
 森に来た目的も果たしたことだし、私は森で一泊して『お楽しみ』に入ることにした。
 私はそれなりの高レベルであり、このあたりのモンスターに私の敵はいない。
「それじゃあ、周囲の警戒よろしくね。可愛いアイアンゴーレムたち」
 テントを立て、その周囲をゴーレムたちに守らせつつ、私はテントの中に入る。
 そして、サンドワームに命じてテントの底に穴を掘らせ、簡単な地下シェルターを完成させた。サンドワームには空気孔を作らせるついでに、地中の警戒をさせる。
 これで万が一にも邪魔者は入らない。
「うふふ……さあ、楽しみましょうね、スライムちゃん。おいで」
 私はテントの中に待機させておいたスライムを、地下シェルターの中に呼ぶ。
 スライムはどろりとした液体となって地下の空洞に落ちてきて、地面を浅く埋めつくすように広がった。スライムの質量はある程度変化するので、最大に広がると私の半身が浸かる程度の量になるのだった。
 スライムはしばらく普通の水のように蠢いていたけど、不意にその全身を震わせ、空洞の中心に立つ私に絡みついて来ようとする。
「ふふっ、ちょっと待ちなさない」
 私はスライムに待たせておき、素早く着ていた服を脱ぎ捨てる。邪魔にならないよう、空洞の端に向けて投げておいた。
「準備できたわ。さあ、来て。私の全身を舐めてちょうだい」
 許可を出すと同時にスライムが素早く動き、瞬く間に全身が覆われて、身動きが取れなくなる。
 もしこれが野生のスライムなら絶望的な状況だけど、いまの私に恐怖心はない。
 このスライムは洗脳魔法によって、完全に私の支配下にあるからだ。
 さすがに命を投げ出させるような命令に関しては抵抗されることもあるけど、主人に対して危害を加えられないのは確実なので、こうして疑似異種姦のようなことも出来るわけだ。
「んんっ、ああん、いいわ、もっと舐めて……っ」
 全身をくまなく愛撫してくるスライム。まるで無数の人に囲まれて全身をなめまわされているかのようだった。
 さらにスライムは私の身体の中にまで入ってくる。
 スライムの愛撫を男性を経験する前に覚えてしまったので、処女膜はとっくにスライムに捧げてしまっていた。正直、一度スライム愛撫を経験してしまうと、二本の腕と一本の男根と一本の舌じゃ満足できないと思う。比べたことないけど。
 スライムの体温は最初ひんやりとしていたけど、私の熱が移って一肌の温度になり、愛撫はさらに気持ちよくなる。
 自分が分泌する愛液とスライムの粘液が交わり、さらに気持ちよさは倍増していった。
 こうやって、野営の度に私はスライムとの愛の営みのを繰り返し、さらにスライムの愛撫に嵌り込んで行ってしまっていた。
 その日も回復魔法で体力を回復させつつ、すべての気力体力が尽きて気を失うまでスライムとの愛撫に没頭していた。

 そんな、いつも通りの、野営の夜のはずだった。

 気絶から覚めるときのように、不意に意識が浮上する。
 またいつものようにスライムに責められすぎて気を失っていたみたいだった。街の外で気を失うなんて危険極まりないことだけど、そのために十分な安全策は取っているから問題はない。
(ん……? なんだか今日は妙にすっきりしてるわね……?)
 気絶するまでスライムを用いたオナニーをした後の日は、大抵は身体がだるくて起きるのもおっくうなのだけど、今日はそういうこともなく、スライムにぷかぷかと浮いているような心地よい脱力感だけがある。
(まあその方がいいんだけ、ど……っ!?)
 なにげなく身体を起こそうとした時、私は異変に気付いた。
 体は確かに動いた。けれど、その動きはいままでの動きとはまるで違う動きだった。
 起こしたはずの身体が、自重で崩れて、私の視界はまるで身体に溶けて沈み込んでいくように落ちて行ったからだ。
(――はぐぅうッっ!?)
 自分の顎と、秘部がぶつかるようなありえない感覚が生じる。ぶつかっただけでは終わらず、それぞれが溶けあうような感覚さえあった。
 状況が呑み込めず、困惑する私。手足をばたつかせようとしたら、なぜか身体全体が『ぷるぷる』と震えた。
(な、なに? なにがどうなってるの!?)
 体が溶けあう感覚に翻弄されつつ、恐慌状態になりそうになるのをなんとか堪えて、私は自分の状況を把握することに務める。
 両手を自分の目の前に持ってこようとして、不定形な輪郭が目の前に広がってきた。
 その見慣れた光景に私は唖然とする。
(これ、わたしの、うで……じゃない……のに、なんで……!?)
 腕と同じように動くけど、『それ』が自分の腕であるはずがなかった。
 私の腕は、ちゃんとした人間の腕だったはずだ。間違ってもこんな輪郭すら定かではない不定形のものではない。
 それは、どうみてもスライムの身体の一部だった。
(夢……? 私、夢でも、見てるの?)
 そう現実逃避気味に考えるけど、目の前のスライムの身体は私の意思で動かせた。
 人の腕をイメージしていると、そのスライムの身体は形だけはそれっぽく、人の腕を形作る。それでもやはり輪郭は流動的で、とても人間には見えない。
 その腕で、自分の顔を触ってみる。
 ぺちゃりと、頬と腕が張りつくような音が響いた。
(まさか……私の身体……スライムになっちゃってるの?)
 視界を動かして、自分の体を見下ろすと、そこに見慣れた私の身体はなく、ドロドロと蠢くスライムの姿があった。自分の意思で動かそうと思えば、そのスライムの身体は自在に動いた。

(私……スライムになっちゃった……)

 自身の身体の突然の変貌に、私は呆然とそう思うことしかできなかった。
 呆然としていることしばらく。妙に落ち着いてきた私は、ドロドロした自分の体を眺める程度の余裕を取り戻していた。
 眼も鼻も耳もないはずなのに、妙にハッキリと周りの状況がわかる。
(確かスライムは全身が感覚器の役割を果たしている……んだったかしら)
 試しに視界の起点そのものを動かしてみようと念じると、身体は動かしていないのに視点だけがぐっと下がる。
 人間にはありえない視点の移動の仕方に気分が悪くなりそうだったけど、なんとか耐えた。
 いま、私の視点は胸のあたりからになっていて、そこから自分の頭の方を見上げることができた。
 それによると、どうやら私の身体は人間の輪郭だけを維持しているみたいだった。これは私の人間としての名残かもしれない。まだ私はスライムの不定形の身体に慣れていないので、自然と人間の形になってしまっているのだろう。
 いまやっているように視点を移動することになれたら、人間の形を維持する必要もなくなって、完全に不定形になってしまうのかもしれない。
(その時こそ、人間を辞める……ってことになるのかなぁ。いや、いまでも十分人間を辞めてるんだけど)
 そのまま視点を動かして、前に伸ばした掌から自分の姿を俯瞰してみた。
 基本的な身体の形は人間だった私の身体を踏襲しているみたい。ただ、髪の毛はスライムの身体では細かく再現することができないのか、クラゲの足みたいな一本一本がかなり太い状態で再現されていた。
(うーん。いかにも、スライム娘……って感じね。誰かに見つかったら、新種のモンスターって思われたりして……)
 通常のスライムも、ある程度形を変えることが出来る。人型も当然取らせることが出来るのだけど、それは泥でつくった人形みたいな造形で、いまの私みたいな比較的精巧な形にはなれない。
 次に私は、魔法を唱えてみることにした。スライムの身体だからか、暗い中でも普通に見えているのだけど、人間の目なら真っ暗闇のはずだ。
 簡単な灯りの魔法を唱えてみたが、魔法は発動しなかった。
(魔法は使えないのかしら……? スライムは魔法に弱い魔物だから、魔力の操作を無意識に拒絶してしまっているのかも……)
 従魔契約がどうなったのか探ってみると、繋がりが切れてしまっていた。周囲を警戒させていたはずのアイアンゴーレムやサンドワームとの繋がりもなくなっている。
 一体化してしまったと思われるスライムの繋がりも感じ取れない。
(これは想像以上に不味い状態かも……上は大丈夫かな……?)
 サンドワームに掘らせた竪穴を通り、テントを見に昇ってみる。すると案の定、昨日張ったはずのテントが壊れてなくなっていた。
 荷物は全部地下シェルターに入れておいたから被害はないとはいえ、アイアンゴーレムたちもいなくなっている。
 地上部分に出て来た私は、スライムらしい不定形のまま、周囲を探してみる。アイアンゴーレムたちの姿はどこにもなかった。
(一応人間は襲わないようになってるはずだけど……洗脳魔法が解消されたなら、それもわかんないわね……)
 願わくば誰にも会うことなく、適当な野生の魔物と戦って壊れてしまっていて欲しいものだった。
 私はスライムらしくドロドロとした体を丸めて思案する。
(理由はわからないけど……スライムと同化しちゃったのよね……どうすれば分離できるのかしら)
 このままだと、魔物と認識されて討伐されてしまうかもしれない。
 そうならないよう、せめてなにかしら意思を伝える手段を得ないといけなかった。

 けれど、結論から言ってその心配は無用に終わった。

 スライムゆえの、全身に存在する感覚器が泡立つ。
 何かが近づいてくるのを感じ取っていた。
(まずい……っ、逃げなきゃ……!)
 咄嗟にそう思って逃げようとしたけど、スライムの身体で素早く逃げれるわけもなく、その接近を許してしまった。

「【魅了】」

 短く唱えられた魔法が、私を捕える。
 本来の私の魔法抵抗力なら、そんな低位の魔法は利かなかった。
 けれど、いまの私の身体はスライムのもの。スライムの魔法抵抗力はないに等しい。
 魔法が精神を捕え、強制的に自分の感情が捻じ曲げられていくのを感じつつ、どうしようもなかった。
 逃げよう、なんて気持ちはあっというまに消えて、近づいてくる存在に対する不思議な好意が心の中から湧き上がってくる。
「ふふふ……珍しい色のスライムね。わざわざ来た甲斐があったわ」
 そう言って茂みの中から現れた人――恐らくは私と同じモンスターテイマーが、にっこりと微笑んだ。


~後編に続く~

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